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オカメインコの言葉 [ごろうちゃん]

インコは人間の言葉をよく覚えることになっている。もちろん、種類によってよく覚えるインコとそうでもないインコがいるし、雄と雌とでは、雄の方がよく覚える。

 ところで、ごろうちゃんは、実は人間の言葉は「ごろうちゃん」と「おいで」しかしゃべらない。これはまだ小さかった頃に覚えた言葉で、それ以降は人間の言葉は一切覚えようとしない。まだ、ごろうちゃんが飛べなかった頃から、「ごろうちゃん」という言葉は覚えてしまった。むにゃむにゃむにゃという感じだったが、明らかに人間の「ごろうちゃん」という言葉を真似してしゃべったのが最初だった。あとは、飛べるようになって、少し離れたところに止まっているごろうちゃんに、手招きをしながら「おいで」と言うと、飛んでくるようになったが、それもつかの間、いつのまにか、「おいで」は、飛んでおいで、という意味ではなく、手招きをするときに発する言葉になってしまって、ごろうちゃんは、「ごろうちゃん」という言葉を聞いたあとは、「おいで」と叫びながら、右足を前に挙げて、足の指をぎゅっと結ぶ仕草をするようになった。つまり、手招きを自分でするようになった。これで、本来の「おいで」の意味を失ってしまったのである。

 ごろうちゃんが人間の言葉を覚えないのには、訳がある。人間が鳥語をしゃべってしまうのである。ごろうちゃんと会話をするとき、人間の言葉は、上の二語しか使わない。それ以外は全て、口笛や鳥の声音を我々人間が真似して、それをごろうちゃんと交互に掛け合いのようにして楽しむのである。それが楽しんでいるのは、人間だけではなく、ごろうちゃんも楽しんでいる。この掛け合いは、一種の「遊び」であるし、それは基本的にごろうちゃんが主導権を握っている。つまり、次にどういう声の出し方をするかは、ごろうちゃんが決め、人間は、それを「オウム返し」にできるだけ似せて返すのである。

 こうして、鳥語を解するようになると、たとえば、デパートの鳥屋さんに行って、いろいろな大型インコに話し掛けることができるようになる。普通のお客さんは、人間の言葉で話しかけるが、我々は、鳥語で話しかけるので、「おっ、これは珍しい」という顔をされ、一気に興味を引くことが出来る。すると、大型インコ(黄帽子インコは顔なじみになった)は、瞳を小さくしたり大きくしたりして、こちらの顔をじっと見つめて、次はどういうことを言ってくるかを注視するようになる。

 つがいの手乗りではないシナモンインコの雄は、雌そっちのけで、カゴのこちら側に寄ってきて、羽根を持ち上げながら、一緒にしゃべろうとする。

 家の前の電線に、野生のワカケホンセイ・インコが来て羽繕いをしているときに話しかけると、これまた、しばらく声を掛け合うのを楽しむことができる。世田谷区には野生のワカケが多数生息していて、世田谷の鳥にもなっているが、なかなか警戒心が強く、決して人間のいるところに下りてこようとはしない。しかし、鳥語を話せば、近くには寄れなくても、しばし心の交流をすることができるのだ。

 実はごろうちゃんの鳴き方は、普通のオカメインコの鳴き方とは、かなり違った雰囲気を持っている。普通のオカメインコは、「ピ・ヨ」というのを、イントネーションを下げながら、悲しげな調子で鳴くのだが、ごろうちゃんは小さいときからセキセイインコと一緒に暮らしているので、同じ「ビ・ヨ」を上げ調子に、明るくしゃべる。その他にも、電話の音や、水のおと、ベルの音などの機械音が好きで、それを真似するし、メロディを作曲して口笛のように歌うこともある。この歌い方は、もともと、口笛で「鳩ぽっぽ」の歌を覚えさせようとしたのがきっかけだったのかもしれない。最初の一節くらいは覚えたが、その後は、ごろうちゃんの創作曲になってしまった。

 こうして、オカメインコとの心の交流を楽しんでいるのである。


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